がんとフアイア

がんに対するフアイアの効果についてご紹介します。フアイアは、がんに対して多様な作用を持つことが報告されており、数多くの研究や臨床データが発表されています。また、がんへの作用メカニズムについても解明が進んでいます。

がんと免疫の関係

がんは、免疫機能の低下にが関与していることが知られています。健康な人の体内でも、毎日約5000個ものがん細胞が生じていると考えられています。しかし、正常な免疫システムがこれらの異常細胞を発見し、攻撃・排除することで、がんの発症を防いでいます。

ところが、免疫システムに異常が生じると、がん細胞を抑え込むことができなくなり、がんの発症につながります。こうした免疫低下に対し、従来の西洋医学では根本的な治療法がありませんでしたが、2014年に登場した「免疫チェックポイント阻害剤」は、免疫を活性化させることでがんと戦う新たなアプローチを確立しました。

免疫チェックポイント阻害剤は、免疫の「ブレーキ」を解除することでがん細胞によって抑制されていた免疫機能を回復させます。従来の外科手術、抗がん剤、放射線治療といった手法に加え、「免疫を上げる治療」が、がん医療の新たな選択肢として注目されています。

フアイアのがんに対する作用

2018年に発表された研究※1では、肝臓がんの手術を受けた1000例規模の患者に対してフアイアを投与したところ、96週間後に「無再発生存率」で明らかな有意差が確認されました。

その結果は、厳しい基準を満たした論文のみが掲載される一流医学誌「Gut※2」にも掲載されました。

※1 
ヒトの多施設ランダム化臨床試験:
Effect of Huaier granule on recurrence after curative resection of HCC: a multicentre, randomised clinical trial(肝細胞癌根治切除後の再発に対するフアイア顆粒の効果:多施設ランダム化臨床試験)

※2 
Gut・・・消化器系医療学術ジャーナルとしては世界最高峰の権威をもつ
2021年時点の IF(インパクトファクター)=31
Gut. 2018 Nov;67(11):2006-2016. PMID: 29802174 DOI: 10.1136/gutjnl-2018-315983. Epub 2018 May 25.

また、乳がん、腎がん、前立腺がん、子宮頸がんなどに関する臨床研究も進められ、フアイアの有効性を示すエビデンスが蓄積されてきています。

さらに、フアイアは米国国立がん研究所が運営する権威ある薬辞典『NCIシソーラス※』にも正式に登録されており、国際的にもその効果が認められつつあります。

※NCIシソーラスは、がん治療や予防に関連する信頼性の高い情報を提供するための、専門家によって厳選された辞典です。(登録コード:C125001)

免疫調整の重要性

近年、免疫チェックポイント阻害剤の副作用として、免疫が過剰に働きすぎることによる副作用が現れるリスクが指摘されています。がんと戦うためには免疫を活性化させることが重要ですが、過剰な免疫反応は逆効果になりかねません。理想的なのは、免疫を適切なバランスで維持することです。

フアイアの臨床データでは、免疫を過度に活性化させることで生じるような副作用は報告されていません。がん患者にとって、再発予防や健康維持のために長期間服用できる安全性の高さも、フアイアの魅力の一つです。フアイアの特長は、免疫を単純に「上げる」「下げる」のではなく、特定のタンパク質に対する免疫応答を調整する点にあります。その結果、体全体の免疫バランスを適切に保つ(=中庸にする)ことができるのです。

フアイアのメカニズム解明

2019年、中国の研究チームが超一流の生化学ジャーナル「Journal of Biochemistry(JBC)」において、「フアイアに含まれる成分『TPG-1』を発見し、その優れた作用を解明した」と報告しました。

TPG-1は、「第三の生命鎖」と呼ばれる糖鎖の一種であり、抗腫瘍・免疫調整作用を持つことが確認されています。糖鎖は細胞表面に存在し、細胞間の情報伝達に関与することで免疫システムの安定化を支えています。フアイアに豊富に含まれるTPG-1は、糖鎖の働きを調整し、さまざまな免疫異常に効果を発揮しているのです。

糖鎖の研究は比較的新しく、2002年には田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞した質量分析技術の進歩によって飛躍的に発展しました。この研究の発展により、フアイアに含まれる糖鎖が免疫異常による疾患の治療や予防、がんの再発防止に寄与する可能性が期待されています。